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大学生やってます

昨日のお客さん、その11

週末である金曜日は思ったより暇で、気合い入れ込んでた私は拍子抜けしてしまった。連休前の予約が1組だけって、どういうこと?

 

 

K村さんが7名連れてきて、合計8名。でもそれも21時過ぎにきて、それからずっとお客さん来なくて、私はひまというひまを持て余しひとりバーカウンターの中でぼんやりしているのをごまかしつつ、洗面台をかる〜く掃除しつつ、それでもやっぱりぼうっとしていた。あまりにも暇で、私が考えることは明日のこと、つまりいまでいえば今日のこと、を、どう過ごすか、そしてクリスマスをどう過ごすか、そんな20代の大学生にありがちなことを考えていた。

 

 

T崎さんが新橋にいるという電話をママさんが受けた。十数分後にきたT崎さんに会うのは久しぶり。3週間ぶりである。痛風が、と言っていたT崎さんは、小豆の甘納豆を元気に食べていて、焼酎も水割りで飲んでいたし、まだまだ現役なんだと感じる。健康診断があるという日でも、前日の23時まで飲んでいたというT崎さんは、「ふつうだったら2〜3日前には控えたりしますよね」という言葉にも、「そらあんた、控えたら数値が下がるのは当たり前なんだ、いつも通りの状態で受けなきゃ意味がないんだ」とトーゼンのように言っていて、高校生の実力テストみたいだと思った。実力なんだからテスト勉強しちゃ意味がない、と嘯いていた高校時代の私である。

 

 

そのあとはM森さんが久々にSンさんを連れてやってきた。もうこの頃には笑顔が作れなくなっている私。身体がだるくて重い。ダメだ、うまく動けない。笑顔が作れない。帰りたい。明日、つまり今日の朝早くから、美容院の予約をしてしまっていた私。帰りたい。ああ、MKさんがひょっこり来店したりしないかなあ、そうしたらめちゃくちゃテンション上がって、頑張れるんだけれどなあ、なんて思ったり。

 

 

でもそんな期待は破られ、23時が過ぎる。23時半前に、Y口(美)様がいらっしゃる。こちらもすごく久しぶりで、この方は仙台に馬を飼っているお方。最初聞いたときはなにかのギャグかと思ったけど、話を聞いたらほんとにほんとの馬を飼っていて、写真もバッチリ拝見させていただいた。真っ白な、人間でいうと美人なホースなんである。見た目もお金持ちかと思いきや、きちんと中身までお金持ちであったのだから、驚くを通り越してもはやすんなりと納得してしまう。馬はちゃんと人間と感情の意思疎通をしているようで、「馬もね、嫉妬とかするんだよ。僕が他のところで別の馬に乗ってたりすると、仙台に戻ったとき、彼女はね、わかるわけだよ。匂いとかでね、わかるんだろうね、嫉妬するんだ」とおっしゃっていて、ほえ____、人間も動物だからその動物も嫉妬するとなればそりゃそうなんだと理解できるけど、でもやっぱり嫉妬するといった、どうしても人間の、人間だけが持つ感情と思いがちなその感情は、馬に限らずありとあらゆる動物にあるんだなあ、と、今更ながら感心してしまった。なるほどね、そうだよね。自分を可愛がってくれている人が、他の、自分と同じような種類のものを可愛がったら、面白くないと思うのは世の常というか、人間だけに限らないことなんだなあ、と動物にしみじみと思いを馳せてみたりなどした。