hellobonjour

大学生やってます

「私の男」を観ました

「私が全部全部、助けてあげるから」

なんておせっかいで傲慢でやかましいんだろう、自分の愛するひととの仲をそんな余計な、第三者の介入で引き裂かれそうになる時の憎々しさといったらそら殺人級ですわ。「感情がひとを狂わせるんだよ」とはまさにそうね、私は私の感情がどこまでいくのか、想像できる範囲だけでもおそろしい。

 

あの人は心が欲しいんだよ、男とか女とか関係ないもん、何が悪い、「そんなの神様が許さない」、あたしは許す、なにしたって、あれはあたしの全部だ、と叫びまくる女の子。衝撃の濡れ場シーンより好きなシーンでありました。ひとの感情が爆発するところって喜怒哀楽とわず目を引く。

 

そうそうその衝撃シーン、浅野忠信が「キモチ悪いおじさん」にまだギリギリなっていない、いやなりかけているけどギリセーフ?なレベルのところで、いやセーフっつうか若干アウトなりかけ?いやはや…と悩むくらいにわりと危なげ。かっこよくなさすぎないところがリアル。ちょっと小汚いおっさんやで。そんでもって女の子は心身ともに成長真っ盛りやで。誘惑する側される側。目つきがもう誘っている。ロリ顔巨乳って…欲情する父親って…降る雨のように、重なるふたりに血が舞う。でもその血の雨シーンの時期がいちばん、互いの組み合わせがマッチしていた頃だったのかもしれない。

 

女の子はどんどん綺麗になる。女になっていく。それまでも女だったのだけれど、心だけだったのが、体の成長が後押しされてマッチしていく。

反対に、男はどんどんくたびれていく。見ていられないほど、堕落していく。女の成長は止められない。男は成長しない。女しか見えていない。女も、男しか見えていない。2人だけの世界。でもそれも、年月とともに変わっていく。それこそがきっと「神様からの罰」。いつまでも世界は2人だけじゃない。なんて不憫でしょうか、愛するひとのために罪を犯しても、時間というものには逆らえない。傷跡は残っても痛みは引いていく。

 

 

父親になりたいんだ、と呟く男。じゃあ女の子は娘になりたかったのかな?娘であるということと女であるということ、その両方を成していた女の子は、成長してからは娘としてだけ生きることができるのでしょうか。

 

 

いやあ〜それにしても浅野忠信がいやらしいオヤジにしか見えなくなってゾワ〜としてました。