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大学生やってます

私の失態inスペイン広場

ローマの休日」でオードリーヘプバーンがジェラートを食べていたあのスペイン広場の階段を上り下りしつつ、飲食が禁止だという人混みでごった返す階段に背を向けて、私の「イタリアひとりツアー旅行〜最終日ローマフリータイム〜」は始まった。いや、もはや前日の夜からはじまっていたと言っても過言ではないこのストーリー性のありあまるそのときの現状に、私はいまでも身震いする。なぜ、あんな無防備すぎる体制で、異国の地、ローマを、たったひとりで、まわっていけると思えたのだろうか。若さなのか、「なんとかなる」精神なのか、なんとかするのは私なのに、その私がなんともならないのじゃどうしようもないではないか。いまだから笑えるけれど、当時は、と言っても一年前だけれど、まさに肝を冷やす体験だった。

 

 

持ち金がほぼゼロという私は、一応帰りのタクシー代だけを残しておこうと、街を見て歩き回った。そして、頭の中では、こんな考えが浮かんであった。「誰かと一緒にタクシーに乗ろう」。ひとりで乗れば20ユーロ前後を、4人で乗ればひとりだいたい5〜6ユーロで済む。私は、同じツアー内の参加者を探しあて、彼らとともにタクシーでホテルまで帰ろう、と計算していた。そうなると、数時間は行動をともにしなければならないが、そこは捨て身の覚悟で、邪魔にならない程度にお邪魔させていただこうという、あわれで一縷の望みにかけた願いだった。

 

 

誰かに会いますように、とスペイン広場の周辺を歩く。このスペイン広場はローマ市内の中でも写真スポットとして何組かは確実に訪れるであろうという計算があった。ローマにきて、スペイン広場へ行かないなんて!カップルも何組かいたし、できればひとの良さそうな、一緒にタクシーに乗ることを快諾してくれそうな人と出会えるといいな、と、もはやローマの町並みに目をくれるよりかは助けのひとを探すようにして、歩いた。

 

 

しかし、見つからない。なぜ?みんな、スペイン広場に興味がないの?誰かひと組でもきそうなものなのに、誰1人としてこない。おかしい。小雨がぱらつくわ、お腹が減るわで、不安はどんどん増していく。

 

 

そして、後から気づいたことだけど、そういえば私は前日のポンペイ遺跡というオプションツアーに行っていたのだけれど、参加者の半分以上の人はフリーデイで、その人たちはもうローマ市内を自由に歩き回っていたのだった。だから、もうスペイン広場なんかとっくに訪れているはずで、最終日、わざわざ写真を撮りにもう一度くるなんてことはなく、今朝タクシーで一緒に乗ってきた年下女子大生2人も、前日はべつのオプションツアーでローマにいなかっただけで、観光スポットをたくさん見て回るという予定を立てていたのでもう戻ってはこないだろう。つまり、私は、参加者の何割かには会えると信じて周辺を行ったり来たりしていたのは、まったくの見当違いであったということになる。

 

 

しかし、そんなことに気づけなかった私は、どんどん時間がすぎていくローマの中で、曇り空がさらに不安に拍車をかけ、焦っていた。ああ、どうしよう。しかも、よりによって、Wi-Fiをスーツケースに入れてくるといった失態を犯してしまったのである。おバカ…

 

 

もはや半泣き状態で、もうこれ以上は探す時間もない、こうなったらひとりで帰るしかない、と、スペイン広場から離れ、記憶と直感で、なんとかタクシー代を少しでも浮かせられるよう、ツアー中に何度か集合したことのある場所まで歩いていき、タクシーを拾おうとした………

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